JR大津駅の地球儀

 前々から「あれは何なんだぁ?」と思っていたものがあります。それはJR大津駅の上り線ホームの西の端にある地球儀のようなものです。

謎の地球儀

 これ(←)です。

 もう何年も、大津駅で降りているのですが、今日、やっと確かめてきました。な、な、なんと! JR大津駅って・・・・、そうだったのかぁ!

 地球儀の台座に赤い線がありますね。これがそれです。

 「それ」って言われても・・・ですが、じつは大津駅は北緯35度の線上にある駅で、この赤い線がまさに北緯35度を示していたのでした(知らなかった・・・(^^;;)。

 北緯35度、この線を東側に辿っていくと、千葉県の千倉町から太平洋に出て、太平洋を渡ってアメリカ大陸に上陸します。そしてオクラホマシティーを通って、メンフィスに突きあたります(う~ん、メンフィスって、エルビス・プレスリーの生地ですね!)。アメリカ大陸を横断して大西洋に出て、さらに地中海にはいります。そしてクレタ島に上陸し、キプロス島を横断して、バグダッドをとおり、チベット高原、西安の北側を通過して、日本海に出ます。そして、島根県の江津市でふたたび日本に上陸して、ついにはJR大津駅に帰ってくるのです!

 ひゃー、なかなかすごいですねぇ。大津から地球一周できるのですよ! もちろん地球は丸いですから、どこからでも一周できるのですが、「北緯35度」と切りのいい数字が通っていると、なにか特別な気分がしてきます(おめでたい性格をしていると自分でも思います)。

 ということで、JR大津駅に来られたら、この地球儀をご覧ください。地球を一周した気分になれ・・・・ます(なれないかも・・・・)。

街の灯り(2)

 10月6日から10日まで、「灯りウォーク」が開催されています。手作りの行灯が旧大津公会堂で公開されていますが、街中には、大津祭りの曳山にちなんだ灯りが、そこここに展示されています。そのいくつかを紹介しましょう。

 中京町の「源氏山」

 もちろん、石山寺で紫式部が「源氏物語」を書いた故事に因んでいます。

 時に「紫式部山」と呼ばれることもあるそうです。

 太間町の「龍門滝山」

 こんな故事があります。黄河の上流の龍門山の滝には、どんな魚でも上ることはできない。もし上がる魚があれば、その魚は直ちに昇天して龍になる--。

 登竜門という言葉もここから出たそうです。

 柳町の「殺生石山」

 能楽の「殺生石」から考案されたもの。鳥羽院に寵愛された玉藻前は、実は狐で帝の命を奪おうとしていたのを安部泰親に見破られて、那須の殺生石となって旅人を悩ましていた。その狐を玄翁和尚が法力によって成仏させた、というお話から。

 猟師町の「神功皇后山」

 神効皇后が戦さの前に、肥前国松浦で鯉を釣り、戦勝を占ったという伝説に因んでいる。

 ところで、この皇后は、戦さの後に応神天皇を無事出産したことから、この山は「安産の山」として信仰されている。

 丸屋町の「西王母山」

 むかし崑崙山に済む、西王母が天女とともに舞い降りて、君に桃の実をささげて長寿を祝った。この桃は3000年に一度、花が咲き、一個しか実らない貴重なものだったとか。

 のちに、このお話に桃太郎の説話が加味されたと言われている。

 

 中堀町の「孔明祈水山」

 蜀の諸葛孔明が、魏の曹操と戦ったとき、流れる水を見て、「敵の大群を押し流してください」と水軍に祈り、大勝したという故事による。

 俗に「祈水山」ともいう。

 湊町の「石橋山」

 謡曲の「石橋」にもとづいたもので、大江定基入道寂昭が宗の国に渡り、険しい石の橋を渡ろうとしたとき、獅子が現れて、牡丹の花に舞戯れるのを見た、という故事に因んでいる。

 牡丹の花に狂う唐獅子で有名。

 灯りは全部で13個あります。とうぜん、曳山の数と同じだけあるのですが、ここでは7つだけ紹介しました。じつは、ぜんぶ発見できなかったのです(^^;;。

 13個の灯りは、すべて寺町筋を湖に下る途中にあります。

 期間は10日の大津祭りまでです。大津の街を歩いて、曳山の灯りを見つけてください。きっといい街歩きになると思います。

街の灯り(1)

 いま、大津の街は、さまざまな灯りのなかにあります。そのいくつかを紹介しましょう。

JR大津駅前のけやき

 JR大津駅前のけやきの木にぼんぼりの灯りがあります。

 最初見たとき、「あれ? けやきに花が咲いた?」と思いました。

 たしかに、「光の花」ですね(^^)。

中央大通り

  

中央大通りには中央分離帯が光にあふれています。

 光はそのまま湖まで一直線、「おまつり広場」までつづいています。

 でも、よ~く見ると、中央分離帯の光は三種類あります。

噴水

 

大津港の噴水はイルミネーションに浮き上がっています。

 この写真は、「おまつり広場」の桟橋から撮りました。ひそかにここばベスト・ポジションだと思っています(^^)。

 あ、「ベスト」というのは、デートには、という意味ですけど(^^)。

なぎさ公園

 

なぎさ公園には、湖にうかぶぼんぼりがあります。

 湖側から湖岸に向けて、ぼんぼりの灯とその灯が湖面にゆらゆらとたゆたう様を眺める・・・・う~ん、いいですねぇ。

 これもまた、「おまつり広場」の桟橋から撮影しました。「ベスト」という意味がいっそうお解りいただけたのではないかと・・・(^^)。

 「大津まちなか食と灯りの祭り2010」は、10月2日から12月31日までおこなわれます。

 日本全国には、仙台の「光のページェント」とか、神戸の「ルミナリエ」とか、大阪の「光のルネサンス」とか、とても豪華で有名なイルミネーションのお祭りがあります。それらに比べると、大津のイルミネーションは慎ましいもしれません。でも、その「慎ましさ」がとてもいい感じだと思います。

大津祭で路上セッション

昨年の大津祭の様子

 滋賀県無形民俗文化財に指定されている大津祭が今年も10月9日(土)、10日(日)と開催されます。

 江戸時代からつづくこのお祭りは湖国三大祭のひとつですが、なんと言っても現在13基ある曳山(山車)が見事です。

 写真は昨年の大津祭の様子です。

 この写真は、今年も大津ジャズフェスティバルの会場になる「パーンの笛」の二階から撮影したものです。本宮の曳山巡行ですね(「パーンの笛」では毎年、巡行の合間をぬって、ジャズライブを行っています)。

 さて、そんな伝統的な大津祭ですが、今年は大津ジャズフェスティバルも微力ながら協力させていただくことになりました。

 祭りにはちょっとした時間のすき間というものができるもので、せっかく大津祭にお越しになった皆さまにすこしでも大津を楽しんでいただこうと、次の要領で、ストリート・ジャズ・ライブをおこないます。

 10月9日(土)、時間は16:00~18:00まで、場所は丸屋町商店街の大津鍼灸院前の路上です。伝統的な大津祭の雰囲気と融合するような路上セッションになる予定です。

 じつはジャズもまた長い歴史をもつ伝統的な音楽です。文化的背景はちがいますが、ふたつの伝統は意外にうまく溶けあうのではないでしょうか。

 大津祭に来られて、大津ジャズフェスティバル提供の路上セッションもお楽しみください。

広角カメラで(パーンの笛の二階から)

 

 

祭りの前のご神燈

 今週末、10月9日と10日は大津祭りです。

 大津の街を歩くと、すでに山建てが終わった曳山が見られ、お囃子の練習が耳に入ります。

 でも、祭りの前はどこでもそうですが、街は基本的に落ち着いた雰囲気の中にたたずみます。それを実感するのは、家々にかかげられたご神燈を見る時です。

餅兵さんのご神燈

 今夜、大津の街を歩いていて見つけたご神燈(提灯)です。

 一枚目は「餅兵」さんのご神燈です。

 こういう提灯を見ていると、「ああ、生活のなかに折り目がある」と感じます。

 何年もつづいて、おなじご神燈を店先にかかげる、その繰り返しが街に生活の折り目をもたらしている、そんな気分になります。

魚忠さんのご神燈

 餅兵さんの前は「魚忠」さんですが、ここもまたご神燈をかかげていました。

 伝統的な町屋の風情にご神燈は似合いますね。

 大津祭りと言えば、13基の曳山巡幸が有名で、たしかにそれがハイライトです。

 でも、祭りには「祭りの前」「祭りのなか」「祭りの後」という三つの姿があって、それぞれがとてもいい雰囲気を醸し出します。いまの大津の街は「祭りの前」の落ち着いた雰囲気に染まっています。

 華やかな大津祭りもいいものですが、大津「祭りの前」の雰囲気もいいですよ。

いちど、脚をお運びになりませんか?