山吹地蔵
JR大津駅を出て左に折れるとすぐの処に、そっと隠れるようにしてお地蔵さんがあります。「山吹地蔵」と言います。
お地蔵さんは子どもの記憶を祀っていることがおおいのですが、これは違います。山吹御前を記念して小さな祠が作られました。
山吹御前と言っても知らない人の方がおおいかもしれません。巴御前とともに、木曽義仲の愛妾でした。
その義仲が鎌倉の軍勢と戦います。形勢は不利。義仲の安否を気づかった山吹は病をおして逢坂山を越えて大津までやってきます。しかし、すでに義仲は敵刃に討たれ、山吹もまた秋岸寺(現在、JR大津駅がある辺りにあった)の境内で殺されました。
この山吹のことを偲んで、後に有志たちが秋岸寺に地蔵尊を刻んだということです。これが「山吹地蔵」の由来です(と知った風なことを書いていますが、「山吹地蔵」の前にある掲示板にそう書いていました(^^))。
なかなか悲しい歴史がJR大津駅の周辺にはあるのですね。
こんな句があります。
「木曽どのを したひ山吹 ちりにけ里」