会場紹介(14) ガス灯広場

 前のエントリーで紹介した浜大津駅からつづく歩道橋を、写真では右、実際に歩いている場合は「左」(西側)に歩くと、「明日都」という大きな建物が見えてきます。ここは大津市のコミュニティ施設や電化製品の「コジマ」が入っている建物ですが、この「明日都」の前に広がるスペースが、今回、紹介する会場「ガス灯広場」です。

ガス灯広場

 写真をご覧いただければわかるように、ジャズフェス会場としては充分な広さをもった会場です。この広場の周縁部(写真では見えませんが)には腰を掛けるスペースがありますし、写真に見えるように、上部階の回廊から演奏を楽しむこともできます。小さな噴水もありますよ。まさに「広場」という言葉がぴったりの会場です。

 そういう施設上の利点もあって、この会場はさまざまなイベントに用いられています。フリーマーケット会場になることもありますし、他の音楽イベントの会場としてもしばしば使われてきました。

 昨年はこの「広場」をジャズフェス会場にすることはできませんでしたが、実行委員の間では「あそこ、使いたいよね~」とよく話し合ったものでした。

 今年はとうとう、この「ガス灯広場」を会場にすることができました。街角でジャズ、という雰囲気には打ってつけの会場です。どうぞ、おいでください。

会場紹介(13) 浜大津駅

 これまでの会場紹介で何度も京阪浜大津駅という名前がでてきました。それは浜大津駅が大津のびわ湖湖岸の中心であるだけでなく、大津ジャズフェスティバルにとってもランドマーク的な位置を占めているからです。

 もちろん、この浜大津駅もまた、ジャズフェスティバルの会場です。昨年もここは会場のひとつでしたが、電車を降りてきたおおくの人びとが演奏を楽しんでくださいました。

浜大津駅

 写真はびわ湖側から浜大津駅を撮ったものです。ご覧のように、駅から歩道橋が左右に伸びていますが、右(西)に行けば「ガス灯広場」会場(次回に紹介)に出ますし、左(東)に出れば「アーカス」会場(次々回に紹介)に出ます。

 「駅は街のヘソ」とも言われますが、浜大津駅はジャズフェスティバルにとっても、まさに「ヘソ」の位置にある会場です。

 ジャズのついでに大津観光をお考えでしたら、三井寺は坂本方面に一駅ですし、石山寺は逆方向に向かって所要時間はわずか16分(終点)です。それに、鉄道ファンにとっても、ここを通る京阪電車は魅力的ですよ。昔の面影が残っている電車ですから。

会場紹介(12) 西友前

 商店街にある会場としては、最後の紹介になります。

 菱屋町商店街にある西友前会場です。西友はもちろんスーパーマーケットの西友です。菱屋町商店街を歩いて、ほとんど長等商店街に行きつく手前にあります。

西友前

 この写真が西友前です。なにやら寂しそうな雰囲気ですが、これは写真を撮ったのが閉店間際で、お客さんもほとんどいなくなった状態で撮影したからです。

 じつはこの会場は写真を撮るのにとても苦労しました。というのは、普段はお客さんの自転車がずらーっと並んでおり、人の出入りもおおく、会場を紹介する写真としてはいい写真になるとはとても思えなかったからです。

 もちろんジャズフェス当日は自転車は整頓されて演奏スペースは充分に確保されるはずですが、買い物客でにぎわうマーケットの前の会場ですから、ここは「まさにストリート!」という雰囲気に満ちた会場になるはずです。

 現在、日本の各地でたくさんのジャズフェスティバル(ジャズストリート)が開催されていますが、そのコンセプトは「街(ストリート)にジャズを」です。街を歩きながら、買い物をしながら、子どもたちと散歩をしながら、仕事途中にジャズが聞こえてくる。ジャズが人びとの足を止め、ストリートに別の時間が流れる。これがジャズフェスティバルの醍醐味のひとつです。

 そういう意味で、この西友前会場は、もっともジャズフェスティバルらしい会場です。

会場紹介(11) 大津百町館

 先の会場紹介では、菱屋町商店街まで歩いてしまいましたが、丸屋町商店街にもう一つ、とても「貴重な」会場があります。今回は、その「貴重な」会場を紹介します。

 なにが「貴重」かと言えば、この会場は築110年を越える大津の町屋だからです。

大津百町館

 大津の街は第二次大戦のとき空襲をうけなかったということもあって、昔ながらの町屋がたくさん残っていました。「いました」と過去形で書くのは、時代とともに伝統的な町屋がつぎつぎと壊されてきたからです。

 そのような状況にあって、おおくの市民の努力と家主さんのご厚意により再生されたのが、「大津百町館」です。この「百町館」の座敷がジャズフェスティバル当日は演奏会場になります。

 場所的に言いますと、先に紹介した「曳山展示館」から10メートルほど歩いた向かい側です。

 大津の伝統的な町屋は母屋(座敷+土間)、蔵、離れ、中庭で構成されています。土間は吹き抜けで、天井には太く黒い梁が見え、昔ながらの「おくどさん(竈=かまど)」も残っています。中庭は前栽がととのえられ、中庭の向こうには離れの座敷が見えます。まさに百年の時間の重みが感じられる空間です。

百町館の座敷

 この「百町館」の座敷でジャズが演奏される、考えただけでもワクワクしませんか?

 大津に残る貴重な町屋の様子を楽しみながら、ジャズの演奏もお楽しみください。

 ここは一度で二度楽しめる「貴重な」演奏会場です。

会場紹介(10) ウエノベビー

ウエノベビー

 会場紹介(5)でご紹介した「大津中央鍼灸院」からは京阪電車京津線の線路(路面電車)がすぐ見えます。この道路を横切ると、菱屋町商店街がはじまります。この商店街にはいって、10メートルも行くと左側にあるのが、今回ご紹介する「ウエノベビー」です。

 写真のように、現在はシャッターが降りています。この状態を見ると、ちょっと寂しい気持ちもなりますが、しかし、シャッターが降りているということは、中は使われていないわけで、シャッターを上げればたちまち立派な演奏会場に変身することになります(^^)。

 おおくの街おこしは、ある意味で街が沈みかけているからこそ立ち上がってきました。全国で見られるシャッター通りは街のエネルギーが低下していることの証拠でもありますが、だからこそ、そこに「祭り」が生まれつづけています。

 大津ジャズフェスティバルによって、ひとつでもシャッターが上がれば、そんなきっかけになればいいな、と思っています。